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『子泣き坊や』

10月上旬に息子が誕生しました。 何でもない平凡な日にちが、その時を境に特別記念日となった。近所の産婦人科を退院してから、今までと違うニュアンスを纏った怒涛な日々を過ごしている。(徒歩圏内に産婦人科がいくつもある事に少々驚いた。子どもが多い地域だが、こうした環境が整っている...

『外と内の逆転現象』

ようやく猛暑の日々から抜け出して、直射日光を和らげるように秋らしい風が吹いている。昼間に外出する時も、熱中症や日焼け対策を敏感に気にする必要が無くなってきたのは楽ちんなことだ。ここ最近続いた秋雨の影響でさらに気温が下がり、窓を開けて風を通すと部屋の奥まで涼しげな空気が運ばれ...

『ぽっこん遊び』

「ぽっこん」という響きで懐かしさを覚える人はどれくらいいますか? 小学生の頃に流行っていた遊びについていろいろ話す中、相方が「ぽっこん」について熱く語っていた。 20年以上前、学校給食で提供されていた牛乳瓶の蓋がまだ紙製だった頃、この蓋を使ったちょっと変わった遊び風景があっ...

『言葉遊び』

『人生の半分を損している。』 このような表現の文章や会話に時たま遭遇することがある。よくある誇張表現の一つだが、いまいちピンとこない言葉だなあという印象が拭えない。最近見かけたものでは、「釣りを知らないのは人生の半分を損している。」という宣伝広告。目立つ場所に大きく貼られた...

『オムライス探報』

自宅から徒歩10分程度のところにあるオムライス屋さん。月~土曜日のランチタイムだけの営業のため、アトリエ通いの日々だとなかなか食べに行く暇がなかったのだが、先日久々に出向いてオムライスセットを注文した。 トッピングに好きな洋食が一品、オムライスにかけるソースも選べて、その日...

『月の色彩』

この時期になると、日常のちょっとした光景の中に兎と黄色い月を組み合わせた絵を見つけることが増えていく。スーパーのお菓子コーナーはもちろんのこと、商店街の飾り付けや飲食のチェーン店でもお月見にちなんだ期間限定商品が毎年登場している。...

アイデンティティ

先日アトリエの片付けをしていたら、大学院時代のゼミで収集した100枚写真が発掘された。実家からかき集めた写真やiPhoneに収まっていた画像を印刷して、確か「色彩」をテーマに厳選した100枚を披露した記憶。そのうちの1枚が描画材の散らかった机の上から出てきた。...

『お米不足』

最近お米が不足しているそうな。スーパーのお米コーナーの様子を覗くと、レトルト食品の「サトウのご飯」やパックの切り餅が置いてあるだけで、キログラムで売られているお米が売り切れの状況だった。寂しげな商品棚を少しでも賑やかにしようとしたのか、インスタント味噌汁や味付けのりが強めの...

『夕立とゲリラ豪雨』

最近夕方になると、途端に天気が崩れて夕立になることが多い。いや「夕立」よりも「ゲリラ豪雨」と称される事が多いように思う。 朝方、突き刺す日差しから身を守るために生活必需品となりつつある日傘を差してアトリエへ向かっているが、その時の空は真っ青と真っ白の二色刷り。暑いというより...

『クロスオーバー』

クロスオーバー……異なる要素がお互いの境界線を越えて交じり合う事。ストーリー、分野などが混合する事。主に音楽において、ジャズやロックなどジャンルの垣根を越えて音楽性を融合させるスタイルを指す用語として使われている。 とはいうもののクロスオーバーの定義は音楽に限られたものでも...

『お祭り観察』

祇園祭や天神祭の季節がやってきました。あいにくと許容量を超えた人混みが苦手なため、祭りへは滅多にお出かけしない。 ただ先日、自宅近くの小学校にて地域の小さなお祭りが開催されていて、久々にお祭り気分を味わってみたい欲に任せて足を運んでみた。グラウンド中央に遊具と同じくらいの小...

『宣伝広告』

京阪電車内の広告で最近よく見かけるようになったのが、四国を走るアンパンマン列車の宣伝だ。原作者のやなせたかしさんが高知出身であるご縁から、アンパンマンの大きくデザインされた電車が四国の線路を走っている事は昔から有名なお話。(実は子供の頃、家族旅行でアンパンマンミュージアムへ...

『本散策の思い出』

「百年の孤独」の文庫版が出版されました。ハードカバーの本は以前から本棚に仲間入りしているのだが、この度ずっと探し回っていた文庫版もようやく購入できた。今年6月26日に新潮社から発売されたばかり。世界的ベストセラーでありながら、今まで文庫化されていなかった事に少し驚いた。どお...

『お別れケーキ』

悲しい事に近所のケーキ屋「リンデン・バーム」が先月末に閉店してしまった。このエッセイにも何度か登場しているケーキはどれもこのお店で買ったもので、誕生日やクリスマスの時期によく愛用していた。 お散歩コースの道を歩いている時、お店の前に貼り出してある手書きのお知らせが目に留まっ...

『謎めいた落とし物 その2』

落とし物、と言えるのか謎なものをまた自宅近くで発見した。 マンションへ入る手前の小さな路地の片隅に、老舗醤油メーカーであるキッコーマン商品のこいくち醤油が二本、くっつき合って佇んでいる。梅雨入りする前には既に置かれていて、先日の雨にも打たれたおかげで水滴がびっしりとついてい...

『記された感情』

ただいま制作の資料探しのため、図書館で借りた万葉集の解説書を読んでいる。全二十巻、現存する最古の歌集として学校でも習った記憶がある。各巻それぞれ特徴が異なっているようで、ざっくりとした解説から特に興味を抱いたのは巻十三、十四巻。十三巻に収められている全ての作品は読み人知らず...

『巡礼〜推し活編〜』

先日、GARNET CROWファンの間で聖地とされている居酒屋さんへ行ってきた。京阪天満橋駅から府道30号線の上り坂を南東に向かってひたすら歩き、阪神高速道路の死を通る中央大通を右折、高層ビルから哀愁漂う古くこじんまりした建物に景色が変わったところで、目的地『和鮮酒庵...

『お祭り騒ぎセール』

一年間ほど更地状態だった近所の土地に新たな建物が建てられ、今年4月11日から大きな薬局がオープンした。新たな始まりというのはどんな分野も高揚するようで、開店セール期間中は駐車場内で交通整理されるほど大勢のお客さんがやって来ていた。街中で10分ほど歩けば2~3件は当たるような...

『両親の呼び方』

近所には保育園から小学校・中学校が徒歩圏内にあり、駅が中心点となりベッドタウンのようにマンションや住宅地が密集している。小さな公園には小さな滑り台、鉄棒、スプリング遊具。時間帯によって公園に集まる人の年齢層は変わってくる。午前中は赤ちゃん連れの人やよちよち歩きの幼児の姿が多...

『ご当地パン』

お出かけ先でふらりとパン屋さんへ立ち寄ることが多いのだが、京都に来てから見かけるようになったお惣菜パンがある。 中にカレー風味に味付けされたソーセージが入って、パン粉をまぶしこんがりと揚げられたニューバード。新しい鳥。 京都ご当地のパンで、市内でも有名なSIZUYAや進々堂...

エッセイ: Blog2
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