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『風邪記録』
先月半ばから家族総出で体調不良となりました。 無事に個展の作品搬入までこぎつけてほっとひと息ついたタイミング。まず息子が保育園から38.3℃の熱で呼び出しがかかり、数日間鼻水と咳と熱をまき散らしながら、謎のハイテンションで部屋中を歩き回っていた。子どもというのは多少の高熱ではへこたれないのだろうか。いつものようにお気に入りのおもちゃや絵本を引っ張り出して、本来の用途とはかけ離れた独自の遊びを満喫していた。「良薬は口に苦し」を諭しても右から左へスルー。全力で逃げまくる。毎朝・夕の薬時間は、元気な時に一緒に遊ぶよりも体力を消耗した。 次は健康優良児のお手本のような相方が、息子から風邪をうつされ鼻水と咳と頭痛に悩まされていた。季節の変わり目は誰もが体調を崩しやすいが、子どもの体内で鍛えられパワーアップした風邪はいろいろと厄介だ。咳で喉を痛め声が発せられない症状も出て、普段の意思疎通のための会話もままならなかった。それでも熱がなかったのは不幸中の幸い。ジョークで渋い声色を持つ友人の物真似を披露するくらい、心の余裕はあったらしい。 2人から少し遅れて、私に

ユウキ サクタ
4 日前読了時間: 2分


『連想旅散歩』
いつのまにか金木犀が見頃をむかえる時期になった。家の近所や駅からアトリエへ向かう僅かな道のりにほんのり甘く澄んだ香りが漂っていて、その香りの源泉には、カールされた葉っぱで着飾った小さな橙色の花の集合体が佇んでいる。 こじんまりとした一軒家の庭先や公園の片隅など、意識して観察してみると至る所で金木犀の木が植生されていた。意外にも金木犀は日本国内で自然分布していない。中国原産の常緑小高木樹で、江戸時代に渡来し挿し木法で全国に広まったとされる。つまり身近にいる金木犀は人々の意思によって其処に根を張り、花を咲かせているわけだ。 種は実らないのか? ちょっと調べてみると金木犀は雌雄異株植物であるが、江戸時代当時、日本へは花付きの綺麗な雄株のみが輸入されたため、現代に至るまで国内には雌株が存在していないそうだ。「挿し木」という人工無性繁殖法は、いわば本体のクローンを増産しているようなものなのだろうか。ただし、一般的に定義されているクローンと一線を画す現象がある。 若返り現象。 不老不死を夢見る人類が飛びつきそうな現象だ。 例えば、樹齢数百年経過している木の枝

ユウキ サクタ
11月10日読了時間: 2分


『完成と未完成』
「作品の完成はどうやって決めているのか?」 展覧会へ足を運んでくださったお客さんから、こうした類の質問を受けることが多い。 これまでそれなりの作品数を仕上げてきてなんとなく掴んだ感覚はあるが、それが万事正しいのか未だ自分でも自信がない。でもせっかくなので書き留めておこうと思う。 描き始める時、まっさらな灰色のキャンバス面がやけに綺麗に見えて、筆を走らせるのに躊躇いを感じるが、一色置いたらそこからは勢いとリズムと感覚の嵐。飄々と変わりゆく画面上を絵具と筆致と地の色のやりとりを経て、『キャンバス』から絵画作品へと昇華させていく。 そしてある一点の時、画面から危険信号が出るのだ。 「これ以上描くと崩れるぞ。」という切羽詰まった声。実際に声が発せられてるわけでも、幻聴が響いているわけでもない。ただそう言った比喩で表すのに相応しい感覚が完成間際の作品から感じられる。それが察知できたらスパッと筆を下ろし、新たな作品へと切り替える。ここ数年の制作スタイルの流れだ。 ……ただし、この感覚も当てにならないもので毎回“声”が聞こえるわけではなくて、だいたい2~3作品

ユウキ サクタ
10月30日読了時間: 3分


「思い出ひととき」
先週土曜日にFM滋賀でオンエアされていたOLDIES GOODIESの番組に、なんとGARNET CROWメンバーの作詞家兼ピアニストさんがゲスト出演していました! ハンドドリップで珈琲を淹れ(フードペアリングのお菓子も忘れない)、久しく開いていなかったradikoアプリを開き、高性能Bluetoothスピーカーを借りて正座待機。開始時刻から2~3分遅れで、真昼のラジオに相応しいリズミカルで軽やかな雰囲気の音楽が流れてきて、番組がスタートした。 こちらの番組、フォークシンガーと音楽プロデューサーの2人組がパーソナリティとして主に1950年代~70年代の洋楽を中心に紹介しているそうだ。またプロデューサーさんとご縁のあるミュージシャンが出演することもあり、今回はその流れで引っ張ってきたとのこと。(ラジオの中でもオファーではなく引っ張ってきた、と言っていた。) このバンドが解散してから早12年。いつのまにか干支をぐるりと一周していた。 もはや音楽やライブ映像でしか、彼らの声を辿ることができなくて(日々の暮らしに忙殺されてのんびりライブを振り返る余裕もな

ユウキ サクタ
10月16日読了時間: 3分


『万博散歩』
駆け込みで大阪関西万博へ行ってきました。 最寄りの夢洲駅に到着したのは午前8時。 朝9時に開場するゲートの前では既に長蛇の列ができていて、椅子や敷物を持参して長時間待機に耐えてる人、おにぎりやパンで手早く朝食を取ってる子(一体何時から並んでいたのだろう)、関西万博公式キャラ...

ユウキ サクタ
10月10日読了時間: 4分


『アイデア瞑想』
定期的にやってくる、木工作業欲。 展覧会に向けて新しい作品を(半ば強制的に)作らねばならない時、強烈に木工作業をやりたくなる。と言っても本格的なDIYというわけではなく、キャンバスの支持体作り限定であるが。 電動ノコギリで木材を切断したり、インパクトでビスをひたすら打ち込ん...

ユウキ サクタ
10月7日読了時間: 2分


『非日常プレート』
普段と異なるプレートは味覚にも影響を与える。定番なメニューの集まりでも、盛り付けるお皿が変わるだけで新鮮な視覚情報が入り、より細かな味付けを感じ取ることができるからだろう。 「今夜は飛行機の機内食を再現してみた!」 エストニアの旅から帰国して数日後、相方の創作レシピに新しい...

ユウキ サクタ
9月25日読了時間: 2分


『言語の音〜エストニア編〜』
最近我が家でエストニア語が流行している。 相方が音楽活動を通じて知り合ったエストニア在住の友人の楽曲や、お勧めされたミュージシャンの音楽が毎日リビングに流れている。もちろん全てエストニア語である。 いつのまにか本棚に新たな本も追加されていた。目につく高さの段に収納されている...

ユウキ サクタ
9月18日読了時間: 2分


『謎の果実』
シェアアトリエの駐車場入ってすぐ右手側に、細長い花壇から窮屈そうに庭木が数本生えている。幹は細めでありながら背丈が2階のベランダと並ぶほど生長していて、巡る季節に合わせて新緑や紅葉が鬱蒼と繁り、出入りする車にも時折覆い被さってくる。アトリエ大掃除の時も山盛りになるほど枯葉や...

ユウキ サクタ
9月11日読了時間: 3分


『チ。−地球の運動について−』 レビュー
最近「チ。-地球の運動について-」を読破した。中世の宗教が絶対的だった世界で、地動説を巡り命懸けの選択をする人々。当時異端とされた「地動説」を主軸に、天文学、数学、技術、宗教など何かに魅了され、真剣に、時には盲信的に取り組んで生きる姿が鮮明に描かれてて、月並みの感想だが面白...

ユウキ サクタ
8月17日読了時間: 2分


『珈琲時間 2025夏』
ポットにお湯を沸かして、珈琲ミルに豆をセットし、ゴリゴリゴリと挽いていく。珈琲豆の砕ける音とじんわり広がる香りを脳内に行き渡らせ、「今日何をしよう?」とぽやぽやと1日のスケジュールを考えながら淹れたての熱い珈琲をいただく。猛暑だろうが酷暑だろうが自宅で淹れる珈琲はいつもホッ...

ユウキ サクタ
8月8日読了時間: 2分


『アナログ書き』
デジタルで文字を打つことが当たり前になって、紙に字を書く習慣が薄れてきてる。 久しぶりにアナログで文字を書いた時、指先と掌にぎこちない違和感があった。1週間ぶりにデッサン用鉛筆を握ったような、自分の神経が通っていない感覚。それでも特に気を留めることなく、目の前のやるべき作業...

ユウキ サクタ
7月14日読了時間: 2分


アーカイブ
8月の個展が差し迫ってきた。常にちびっこがくっついているためアトリエ滞在時間が昔より激減している。そして心は毎度お馴染み切羽詰まった状態だ。いい加減、計画性を持って制作していきたいものだが、締め切りが近づかないとエンジンがかからない性分は筋金入りの三つ子の魂だろう。...

ユウキ サクタ
6月27日読了時間: 2分


『揺らぐ時間』
二条城で開催中のアンゼルム・キーファー展へ行ってきた。圧倒的な規模とそれに負けない物質量の作品群が、二条城の台所・御清所内に展示されていた。 キーファーと言えば名古屋市美術館にも作品が所蔵されていて、常設展の空間の定位置に、壁面から飛び出すほど厚みのある巨大な作品が毎回目に...

ユウキ サクタ
6月17日読了時間: 3分


「本の記憶」
自宅の本棚を整理した。特に本を処分したわけではなく、右から左へパズルのように移動させただけなのだが……。時折こうして本を並べ直す作業に浸りながら、何を読んだか読んでいないか確認している。古本屋で購入したもの、立ち読みした勢いで衝動買いしたもの、どうしても書店で見つからず通販...

ユウキ サクタ
6月2日読了時間: 2分
『お別れパン屋』
今度は馴染みのパン屋さんが閉店した。 パン作り人生半世紀越え、とでも言えそうなくらいご高齢の老夫婦が2人で切り盛りしていたお店。自宅から一番近くにあり、早朝7時からオープンしていたパン屋さんだった。ゆったり珈琲とともにいただくモーニングに、出勤前の手軽に取れる朝食に、午後3...

ユウキ サクタ
5月26日読了時間: 2分


整理整頓
整理整頓にも重要な考え方があるのを最近ようやく実感した。 定期的にやってくるアトリエの混沌とした状況を改善するべく、キャスター付きの収納棚を購入したのだが、これがすこぶる使い勝手が良い。場所移動も簡単にでき、絵の具チューブを色彩ごとに分けて仕舞えば行方不明になることもない...

ユウキ サクタ
5月11日読了時間: 2分


『ごはんさん』
3月下旬から息子を連れて里帰りした。およそ3週間、慣れた家でだらだらと起きて、食べて、寝て……を繰り返したおかげで2人そろってまんまるぶくぶくシルエットになった。京都へ戻って真っ先にすべきは体型管理かもしれない。 三重県の祖父母宅に滞在していた時のこと。早朝からせかせかと祖...

ユウキ サクタ
5月1日読了時間: 2分


『クロッキー』
最近久しぶりに人物クロッキーをやっています。モデルはちびっこ。まあこちらの意図とは無関係に、動きまくること動きまくること……。手足をばたつかせる、腹ばいでいつの間にか方向転換している、興味の対象が気まぐれに変わっていく。際限なくシルエットが変わるため、いろんな対象の動きが一...

ユウキ サクタ
3月15日読了時間: 2分


『珈琲の時間』
久しぶりに新田辺にある珈琲&紅茶館へ行ってきた。近鉄新田辺駅から東へ徒歩10分ほど行くと、焙煎された珈琲豆のほろ苦い香りや甘味のある香りが外まで漂っているのが分かる。緑色の壁はきっとお店のイメージカラー。店内に入ってすぐ目に飛び込んでくる大きな焙煎機と同じ色で、珈琲袋の麻の...

ユウキ サクタ
3月6日読了時間: 2分
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