紙媒体の本が年々売上数を落としていくのと比例して、地域に根付いたローカルな本屋さんも姿を消しつつあるように感じる。ただありがたいことに、今住んでいる地域には徒歩圏内に書店が幾つかあって、本を巡る機会は割とあるほうだ。
そのうちの一つ、京阪丹波橋駅の北出口から地上に出てすぐに看板を構えている、伏見若林春和堂書店。店頭には漫画雑誌、ゴシップ記事がメインを飾る週刊誌、ちょっとアダルトな写真が表紙となる雑誌が並んでいて、通りから一番注目されているコーナーだ。世俗的なものを最前面に押し出している様はローカル独特の空気感も醸し出している。それらのコーナーに挟まれた、店内へ通じる扉は意外にも自動ドア。初めてこの書店を探検した時、手動で開けようとしていきなり動いた扉にびびって大袈裟な反応をしてしまった。店内はお世辞にも品揃えが豊富とは言えない。天井も低く、本棚も少ない限られた空間となると、どうしても置ける本は限られてしまう。それでも漫画の最新刊や、ドラマ化された小説など、ある程度世間の需要と話題に配慮した本がレジの近くに供給されている。あとは漫画、文庫、小説、旅行、参考書など、大型書店と同じように棚ごとにテーマ分けされた本が整理整頓されて並んでいた。
ローカル書店といえば、お店ならではの個性的な本のラインナップがある。もちろん此処も例に漏れず。一昔前の話題になった本が日焼けもせずに隠れていたりする。心理学を応用した自己啓発本や、昭和から人気を博している漫画の文庫版、とっくに連載の終了した漫画が全巻びっしりと一つの棚を占拠している。背表紙に見覚えのあるタイトルを見つけることもあるが、独特な選書の中に紛れ込んでいると初めて出会う謎めいた書物のように感じるから不思議だ。大型書店では買う気にならなかった本を、此処では数秒で即決して買ってしまう。個人書店空間が持つ魔力だと思う。
あと個人的に観察していて面白いのは、店員さんの緩急差。お客さんがいない時はストーブの前に椅子を持ってきて、なんなら温かい緑茶まで沸かしてまったりしているのに、いざお客さんから取り寄せの依頼や探し物を相談されると、途端にテキパキと動き回って書店員らしい仕事ぶりを発揮する。
何処かにやる気スイッチでも隠しているのだろうか。

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