アーカイブ
- ユウキ サクタ
- 6月27日
- 読了時間: 2分
8月の個展が差し迫ってきた。常にちびっこがくっついているためアトリエ滞在時間が昔より激減している。そして心は毎度お馴染み切羽詰まった状態だ。いい加減、計画性を持って制作していきたいものだが、締め切りが近づかないとエンジンがかからない性分は筋金入りの三つ子の魂だろう。
過去作品を引っ張り出して最近描いた作品と並べてみると、その年、その時期の傾向や視線が見えてくる。ステイトメントに記してある通り大きなコンセプトは変わってないはずなのに、その作品と向き合っていた当時の時間や心境が筆の運びや色の選択に大きな影響を及ぼしている。去年は古い時代の言葉が持つ音の響きからイメージを膨らませて描いた作品が多かった。一昨年はバイブルとなったお気に入りの本から見つけた言葉からドローイングを重ねた作品、その前は童話、さらにその前は…(遡るとキリがないので割愛。)
倉庫で眠る作品を振り返ることは滅多にしないが、今回ちょっとだけ嬉しかったのは他者からの評価はさておき、直近の作品のほうが自分の中で納得のいく形で完成できていること。色彩選択、構図のコンポジション、筆致、主題、きっかけ、背景。探せばまだまだ粗は見つかるが、これまでの積み重ねた描きは少しずつ成果が出て形となっているはず、と感じた。一昨年より去年、去年より今年、前作より今作の作品が個人的お気に入りだと素直に思える。
幸いなことに自分の好きな‘描く’ことが生活の一部となっている今、それでも筆が止まって悩む時間もあり、アイデアがパッと浮かんでもすぐに描き留めておくことができずもどかしい思いもしたり、一筋縄ではいかないこともある。それでも10年後、20年後も変わらず絵の具に塗れて作品制作を続けていたい。
作業スペースをぐるりと囲うように並べた絵画。大、小さまざまなサイズ感のキャンバス、そこそこなお付き合いのモチーフが多彩な色彩に染まって画面に定着している。
そろそろ倉庫が溢れそうです。

コメント