久しぶりに新田辺にある珈琲&紅茶館へ行ってきた。近鉄新田辺駅から東へ徒歩10分ほど行くと、焙煎された珈琲豆のほろ苦い香りや甘味のある香りが外まで漂っているのが分かる。緑色の壁はきっとお店のイメージカラー。店内に入ってすぐ目に飛び込んでくる大きな焙煎機と同じ色で、珈琲袋の麻の質感とのコントラストが良い塩梅となっている。以前はバイクで通っていたが、今日は息子をベビーカーに乗せて電車で向かった。駅からの道中、バイクでは素通りするだけだった景色も徒歩だとゆっくり視界に入ってきて、お店に近づくにつれ濃くなっていく珈琲の香りも堪能できる。なんてことのない平凡な街の景色だけど、嗅覚への効果が、ちょっと特別なお出かけ気分にしてくれた。
大学院時代から通い詰めているこちらの珈琲屋さん。月ごとのお得豆やセールの豆があるのだが、なんとなく季節に合わせてお得豆もループしていることに気づいた。春頃なら香り高い豆、冬なら苦味とコクがある豆、など……。
今回はカフェインレスの豆を選んだ。この日は平日にも関わらずお客さんが複数いて、焙煎機の順番待ちをしている間、所狭しと並んでいる珈琲の生豆を散策してみた。そら豆みたいな色合いの生豆、看板が無いとどれがどの珈琲豆か分からなくなりそう。よくよく観察すると、細長かったりまん丸だったりするのだが。初めていただいた此処の珈琲は、お店独自のマンデリンブレンド。大学院のゼミで毎週、珈琲豆をミルで挽いて、温かい珈琲を淹れる。代々続くゼミのルーティンだった。
「何ヶ月?」
顔馴染みの店長さんと息子を交えておしゃべりをした。考えてみれば、学生から社会人、今は人の親、と時間の流れに合わせて変わっていく私の一部始終をこの店長さんは何気に見届けてるんだよなあ……。もちろん、他の常連さんの変化だって見守っている。珈琲が生活の一部となって、それなりの時間を過ごしてきたのを改めて感じた。
また毎朝の珈琲時間がぼちぼち復活してきている。

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