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『アナログ書き』

  • 執筆者の写真: ユウキ サクタ
    ユウキ サクタ
  • 1 日前
  • 読了時間: 2分

デジタルで文字を打つことが当たり前になって、紙に字を書く習慣が薄れてきてる。

久しぶりにアナログで文字を書いた時、指先と掌にぎこちない違和感があった。1週間ぶりにデッサン用鉛筆を握ったような、自分の神経が通っていない感覚。それでも特に気を留めることなく、目の前のやるべき作業に取り組んでいた。

集中力が途切れると、ふと客観的に物事を見る視点が芽生えてくるものである。良くも悪くも……。

もともと字は綺麗なほうではなかった。だがさっきまでカリカリと書いていた文字はかなり崩れた醜態を晒していて、ちょっとこれは不味いのでは?と危機感を抱いた。(諸事情による必要書類を大量に書いていた。)ボールペンで改めて清書し直したため、ダイレクトに汚い文字が残ったわけではないが、緊張感を持って丁寧に書いても微妙な字体の仕上がりだった。

学生時代、当たり前のように毎日ノートに文字を書く行為を続けていた。セット売りの大学ノートにはどれだけお世話になったことか…。なんの苦も感じることなく書く習慣の繰り返しだった日々が、ものすごく遠く感じる。

大人になって社会人の波に飲まれてると僅かな時間も惜しくて、それこそ手帳に予定を書き込む行為、読んだ本の中で気になった言葉を書き写す行為、日々のメモ書き等々をするのが億劫で、いつのまにか筆記用具よりもスマホを取り出してアプリに記録するのが当たり前になっていた。正直なところ、デジタル文字打ちは便利なことばかりである。訂正があればすぐに修正できる、消しゴムいらず、癖のある字で読み間違えることはない、上げればキリがない利点が多く出てくる。これらの利便性と引き換えに、文字を書く持久力は格段に落ちているだろう。別に良いじゃないかという開き直りと、またアナログ書きの時に慌てるぞという警告がせめぎ合っている。


そして今、このエッセイもiPadのアプリで書き込んでいる。



 
 
 

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