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痛みの記憶

執筆者の写真: ユウキ サクタユウキ サクタ

先週、息子の定期予防接種に行ってきた。12月に1回目を受けて、今回は2回目。子どもの病院に対する恐怖心を少しでも和らげようと、あの手この手で工夫を凝らした小児科の空間は、自分が幼少期の頃と比べて格段にアップデートされている。暖色系の電灯、黄緑や橙色のインテリア、極め付けはお医者さんも看護師さんもアンパンマンがプリントされたシャツを制服として着ていた。

ロビーで待っている間に寝落ちした息子を、ベビーカーに乗せたまま診察室へ連れて行った。(ベビーカー対応している個人病院を初めて見た。)お医者さんを目の前にしてもぐーぐー眠りこける図太さは誰に似たんだろうか。脇腹をくすぐって起こし、ぼーっとしたままお決まりのお腹もしもしと喉の診察を受けて、さあいよいよ注射を打つため、左袖を捲った瞬間――。

壊れたスピーカーみたくギャン泣きしました。まだ打っていないのに。

「あ~思い出しちゃったか。」

看護師さんいわく、赤ちゃんでも前回の痛みを覚えている子は多くて、なんなら打たれた前後の状況(聴診器を当てられた、服の袖を捲ったなど)も痛みの記憶と結びつけてインプットしてしまい、診察室に入った時や先生の顔を見ただけで泣き出す子もいるんだとか。こんな小さなふにゃふにゃした生き物でも、身の危険を察知し抵抗する術を身につけている。この世に生まれ落ちてまだ3ヶ月ほどだが、痛みをちゃんと記憶できている事に大きな成長を感じた。

泣き喚く赤ちゃんのパワーは凄まじく、注射を3本打つのにかなり強めに押さえつけなければいけなかった。なんとなく大人に罪悪感を感じさせる泣き方も覚えているような気がする。

「すごーい。強い子だね~。もう泣き止んだよ。」

診察室を出る前に、息子は泣くのを止めてお医者さんの顔をじーっと見ていた。もしや痛みの記憶を上書きしてるのだろうか。

来月も3回目の予防接種を控えている。頼むから直前まで太々しく寝ててくれ……と願わずにはいられない。

 
 
 

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