『絶叫ノスタルジー』
- ユウキ サクタ

- 7月17日
- 読了時間: 2分
ある日を境に、自分の嗜好が180°がらりと変わることがある。
先日、家族3人でひらかたパークへお出かけした。およそ10年ぶりのテーマパーク。夏休みシーズン直前だったからか人混みに巻き込まれることもなく、ちびっ子連れでもパークの世界観とアトラクションに没頭できた。アトラクション系で真っ先に乗り込んだのは絶叫系のコースター。久しぶりにあの快感を体験できるとあって、開園と同時にコースターエリアへ一目散に駆けつけ、一番乗りで最前列の席を確保した。規則正しく組み立てられた骨組みの上り坂を、カタカタカタとスタイリッシュなオープンカーが上っていく。頂上まで上り切ったほんの一瞬、息が止まって背筋がヒヤリとするあの瞬間が中毒みたいに心地良い。
とは言っても、昔からジェットコースター狂だったわけではない。
美大の受験に失敗し浪人確定となった春休み、同じような境遇になった友人達と4人でナガシマスパーランドへ遊びに行ったことがある。東海圏の人にとっては家族の定番お出かけスポットであり、カップルのお勧めデートスポットであり、学生達の大人気遊びスポットであり、つまるところ身近にある非日常体験エリアだった。
みんな半ばヤケになった心理状態だったため、満場一致で日本一の走行距離と呼び声高いコースターへ最初に乗り込んだ。史上最長のカタカタ音と心臓音が、妙にリズミカルに共鳴していたのを覚えている。そこからスイッチが入り、ランド内の絶叫系アトラクションを制覇していった思い出。ある意味、挫折が新しい扉を開いたとも言える。10年以上経っても、鮮やかな記憶としてインプットされている強烈な記憶だ。
当時の友人たちとは、全員違う美大へ進学してすっかり疎遠になってしまったが、便りのないのは良い便り、何処かでアートを続けているだろう。
「どうやった?」
「全っ然怖くなかった。」
ひらかたパークの花形絶叫コースターに乗りながら、懐かしい思い出のノスタルジーに耽っていた。




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