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ステイトメント
神話や昔話、文学、歌などに綴られた言葉を出発点として、絵画を制作している。
物語に耳を傾けるという行動は、赤子の頃から見られる。ただの音の並びだったものが言葉として認識できるようになった瞬間、人は物語世界へ没入していく。
物語と出会った時、言葉を超越した感情が芽生え、心を揺さぶる。
物語を綴る文章や言葉は時として、よく見知ったものでありながら日常とかけ離れた呪文のように聞こえる。物語からその言葉や文章を引き剥がし、孤立させ、自分の作品へと昇華させていく。
私の出会う物語は日本語である。原作では他言語で記された物語も、私は日本語に翻訳されたものを読んでいる。故に物語への私の旅先仲介人は日本語である。
そして、ひとつひとつの言葉が持つ音の響きも重要な要素だ。其処には日本語以外の言語も視野に入れていて、当然言葉の意味や背景は欠落して自分の中に取りこまれる。他愛もない音が誰かにとって言葉となる。奇妙な模様が誰かにとって文字となる。その曖昧な境界の揺らぎも作品制作のきっかけとしている。
植物を主要モチーフとしているのは、縦横無尽に生長していく生命力と有機的な線を、絵画を構築するための素材として取り込んでいくためだ。
私にとって「描く」ことは、作家の感情や形跡を大胆且つ明瞭に残しながら、内とも外とも違う世界を編み出す禅問答のような行為である。
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