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『昔ばなしチャンネル』

  • 執筆者の写真: ユウキ サクタ
    ユウキ サクタ
  • 20 時間前
  • 読了時間: 2分

先日YouTubeにて『まんが日本昔ばなし』の公式チャンネルを見つけた。

今年開設されたほやほやのチャンネル。でも投稿されている動画は懐かしい絵柄と声色で表現されたお話ばかり。主に小学校時代に大変お世話になった番組だが、独特な語りとお話の切り口が癖になって、高校~大学時代も図書館から借りて夢中になって鑑賞していた。いつのまにか年の離れた弟や妹の方が先に卒業していたと思う。

シリーズ自体は1975年に放送を開始してそれなりの歴史がある。放送局が変わったり、一旦終了してもう一度再開したり……そのあたりの概要はWikipediaに詳細に記されている。(毎度思うが、こうした細かな情報を一体どうやって入手して記事にしているのだろう。)私がリアルタイムで見ていたものは再放送のものだった。

このアニメで一番特徴的なのは、ナレーション含むキャラクターの声を俳優の市原悦子さんと常田富士男さんの2人のみでこなしていたことだろう。かぐや姫、山姥、一寸法師、狸や雉を市原さんが、お爺さん、若武者、鬼、猿やタニシを常田さんが演じていて、お話の内容によっては演者が入れ替わったりもしていた。(さるかに合戦の猿は常田さん、猿地蔵の猿たちは市原さんなど。)アニメというより絵本の読み聞かせを見ているような茶の間の心地よい感覚があったのは、昔話の特別性もさることながら、この限られた声色にもあったのではないか。誰かに本を読んでもらう時は、一人の読み手が全ての役割をこなす。主人公もやれば悪役も演じ、動物も妖怪も、なんならそら豆やタニシにだってなりきっている。読み聞かせ環境にできるだけ近づけた演出。実際にこれをコンセプトとしていたかは定かではないが、流行の特撮アニメや煌びやかなキャラクターが登場する番組とは一線を画す、独自の表現を確立していた。

さすが全国の昔話を元にしただけあって、このアニメで知った伝承もたくさんある。『飯ぶり山』『雉も鳴かずば』『わらしべ長者』などは本よりも先に、動いて喋るこの媒体で出会った。

平成はテレビの見過ぎに警鐘が、令和の今はYouTube含むSNSに警鐘が鳴らされているが、こうした学びのコンテンツとしての側面もある。

付き合い方は柔軟に。


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