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執筆者の写真ユウキ サクタ

『プロフェッショナルの視点』

「……これは、以前の持ち主が少々やんちゃな人だったようですね。」

中古バイクが再び故障してエンジンがかからなくなり、これを機に新車バイクを新たに購入することにした。ついでに整備士さんに中古バイクの状態を見てもらったのだが、開口一番に言われたのが上記の一言だった。

「後輪のカバーが短くカットされていますし、座席におかしな飾りも取り付けられています。所謂改造車ですね。あとは一昔前に走り屋の間で流行っていたステッカーも貼ってるので、相当無茶な走行をしていたかもしれません。」

あれおかしいな?そんな情報教えてもらっていないけど?

どうやら知らない間に「私はやんちゃ者です!」と、あちこちでアピールしていたようだ。

なんてこった。おっちょこちょいなのは認めるけど、そちらの意味でやんちゃした覚えはないぞ。

半年程乗っていたけどよく絡まれなかったな……無自覚ほど恐ろしいものはない。

「ちゃんと修理はされてたんでしょうし、どんな人が乗っていたかなんて伝える義務はありませんからね。リサイクル業者も売るのが目的ですから。」

苦笑いしながらあれこれと説明をしてくれたのだが、総じて言うと高い社会勉強を支払ったということだ。

中古屋さんも「バイク初めての人は新車がお勧めですよ。」とやんわり言っていたけど。

それにしても……少し見ただけで改造車だと気づき、過去の持ち主の輪郭まで想像できてしまうとは。その道数十年のキャリアが背景に染み付いている。

プロの目利きは確かなようだ。

今度のバイクも125ccのAT車。この規模でも京都市から天橋立、出雲大社、飛騨高山まで行けるらしい。秋はツーリングのベストシーズン。さて何処に行こうかな?



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