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執筆者の写真ユウキ サクタ

『ケーキを訪ねて』

伏見大手筋商店街から少し小道を歩いたところに、日本家屋を改装した洋菓子店がある。華やかなイルミネーションも、大きなサンタクロースやトナカイもいないが、ガラスショーケースにはお店の雰囲気に合ったサイズ感のツリーが飾られて、国民的イベントとなった日々をお祝いしている。

このお店の存在は去年から知っていた。ハイデンバンから丸栄ガクブチ(種類豊富な画材屋さん。作家に嬉しいお手頃価格なのです。)へ向かう際の通り道で、いつもお店の前を通り過ぎていた。小さなお店のため混雑はしていない。だけど平日の昼間も必ず誰かが「お客さん」としてケーキを眺めている、そんな印象を与えるお店だ。

実は10月頃、神戸でたまたま入った喫茶店で手に取った雑誌で、この洋菓子店の記事を見つけた事がある。関西のローカルな老舗のお菓子屋を幾つか特集していて、その中の一つで紹介されていた。お店の外観写真が見開きで、ケーキのいっぱい詰まったショーケース写真とパティシエさんの言葉が記載されていて、一瞬で神戸から京都の近所まで帰ってきた感覚になった。(恥ずかしながらどこの雑誌か忘れてしまった。オレンジページか、家庭画報か、レタスクラブだったか……?)

特集記事が組まれるなんて……。腕利きのパティシエ職人がいるのかな?

自分の住んでいる地域のまだまだ知らない魅力を発見できた。

この度、ようやく扉をくぐってお店に入った。晴天の日は外との明るさの対比で店内が少し薄暗い。目が慣れてくると自然にショーケース内のケーキに目が留まる。チーズケーキやショートケーキ、いちごロールケーキ、最近流行したバスクケーキ、ホールのチョコレートケーキやアップルパイ、ミニシュークリームやマドレーヌなどのお菓子も。

「ありがとうございます。またお越しくださいね。」

今回はチーズケーキとムースショコラを購入。次なるケーキは既に決めてある。

——またお越しくださいね。

接客業経験を積んだ側としてはテンプレートな挨拶だが、緩い約束で「また行こう。」と思える、そんな気持ちにさせられる人は少ない。貴重な店員さんもいるお店ですね。


『洋菓子のお店 リンデン・バーム』は、伏見大手筋商店街入り口の風呂屋町通りを北西に進むと左手に見える。真正面は西洋の建物風で赤茶色の枠と白壁・街灯が目を惹く造り、対して横側は定番の年季の入った日本家屋一戸建てで、少し歩けば印象ががらりと変わる。ホームページやSNSなどもない。(食べログや食レポ、個人のブログでの口コミはたくさんある。)


ぜひ‘百聞は一見に如かず’を実感してみてください。





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