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『カフェ珈琲タイム』

  • 執筆者の写真: ユウキ サクタ
    ユウキ サクタ
  • 4月23日
  • 読了時間: 2分

息子の地域健康診断を受けに行ったとある日の午後。いつもより日差しが眩しく、気温も高くて春を通り越した陽気な夏日和だった。

健康診断はつつがなく終わり、ベビーカーの中で寝落ちした息子を連れて帰路についた。ここから順当に寝ていてくれれば、二時間くらいは自由時間を満喫できる。近所をベビーカーを転がしながら散歩しつつ、ショッピングをしたり、雑貨屋巡りをしたり、貴重な一人時間を満喫した。

締めくくりに自宅から徒歩二分の所にあるカフェに入った。このお店はこの地域に引っ越してきてからずっと気になっていたのだが、昼間は仕事やアトリエに行ってることが多く、開店時間にお店の前を通ることが少なかったため、なかなか入る機会がなかった。

今回は二度目の来店。ベビーカー付きだったからか、一番広いテーブルを案内してもらえた。息子は変わらず熟睡中。ペルーの深煎り珈琲とハーブクッキーをフードペアリングで注文した。カフェで珈琲タイムを過ごすのも久々だった。ただいま実写映画で話題のSF小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を自宅へ走って取りに行き(その間息子も見てもらえた。こういう時ご近所さんのアットホームなカフェは融通がきく)、珈琲片手にタウ・セチへひとっ飛びできた。

Science Fictionは確かにフィクションであるが、この物語では天文学用語や科学知識、生物学知識、実際の宇宙研究機関の名前もたくさん出てきて、読みながら現実と地続きになっているような感覚を抱く。人類存亡の危機、意外な場所での運命の出会い、徐々に明かされる主人公の過去――(これ以上はネタバレになるので是非小説か映画を見てほしい)。

昼間にじっくり本の世界に浸るのと、夜寝る前の僅かな時間に読むのとでは、頭の中へのインプット具合も違っている気がする。強烈な眠気に抵抗しながらの読書は文章の後半がほとんど記憶に残らない。やはり人間は夜、眠るようにできているのだ。

冷めた珈琲がカップにひと口残っているあたりで、モゾモゾモゾとベビーカーが揺れ、息子が覚醒した。これにて自由時間は終了。傾斜のきつい高い天井に嵌め込まれている三角窓から、夕方の西陽に変わった光が差し込んできた。この後は就寝前までのルーティンミッション、入浴・食事・寝かしつけの日常が再開される。残っていた珈琲をぐっと飲み干すと、宇宙旅行から帰還した頭は幾分か冴えていた。


気分転換も大事です。



 
 
 

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