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執筆者の写真ユウキ サクタ

『'ちょっとひと手間'音楽鑑賞』

先日堂島リバーフォーラムにて開催されていた、3日間限定のZARD MUSEUMに足を運んだ。最近この施設にご縁があるなあ、と思いながらMUSEUM鑑賞を楽しんだ。ライブの写真やCDジャケットのロケで使った「ジャガー・Mk2」という車、それぞれのシングルCDで着用していた衣装、ZARDの坂井さんがデザインした未完成の打掛けなどが展示されていて、さながらどこかの私設美術館のようなクオリティだった。特に印象的だったのが、音楽には欠かせない歌詞になるためのさまざまな言葉を綴った大量のメモ!大きなガラス張りテーブルに無造作に置かれた詞(ことば)には、聴き覚えのある単語や、彼女の意外な視点を垣間見られるフレーズなど、思わずクスッと笑ってしまうものまで多彩な言葉で溢れていた。展示では『ことば』を『詞』と紹介していて、楽曲制作で最も大切にしていた軸を見つけたような気がした。(美術作家の一人としては、ここまで創作活動の詳細を紹介しちゃって良いのかな?とふと思ったのだが、一ファンの心理としては狂喜乱舞状態でした。)

さてそんなMUSEUM記念にCDを購入し、帰宅後久しぶりにプレイヤーにセットして曲を聴いてみた。さらさらさらジーッと、機器の中でCDが回転しやがて音楽が滑り込んでくる。Spotifyなどのサブスクリプション発展のおかげで、どこでも気軽に楽曲そのものと触れ合うことはできるわけだが、ケースからCDを取り出す、そっとプレイヤーに差し込む、中へ吸い込まれていく時の指先から離れていく瞬間、再生ボタンを押してしばらくの機械音の後にワンテンポ遅れて始まる音楽。昔染み付いていた音楽と親しむ前のルーティンを再び体感して、ひょんなところでノスタルジーを抱いた。CDすら、今の私にとってはちょっと古い音楽再生メディアなのか……。CDの前はMDやカセットテープ、さらに遡るとレコードやオルゴール(順番は少々違うかもしれない)。

音楽を聴く際それぞれのメディアに、サブスクには無いちょっとしたひと手間がある。この’ちょっとしたひと手間’も含めて自分の音楽鑑賞の思い出になっていた。

ちなみに購入したCDの収録曲はSpotifyに解禁されていて、さらにPCにもダビングされている。だけども、たまには’ちょっとひと手間’かけてCDプレイヤーで聴いてみようか。




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