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執筆者の写真ユウキ サクタ

『健康体でいること』

更新日:2020年9月3日

「ごめんなさい。せっかく来ていただいたのですが、ヘモグロビンが基準値に達していないので今回もお断りしますね。」

私はどうやら貧血傾向があるようで、献血前の検査結果が思わしくないせいで3回に1回の確率で献血参加を断られている。

「本当にわずかに足らないだけなんですけどね…。やはり針を刺したり身体に影響があるので、ここはきっちりと線引きをしなくてはならないんです。」

申し訳なさそうな表情で、看護師さんが貧血にきく食事や採血後の体調管理の説明をしてくれた。

極々気が向いた時にルームにお邪魔して少し注射を我慢するだけで、血液検査で自分の健康状態も把握できて、無料で(めちゃくちゃ重要)お菓子や飲み物がいただけるという下心全開なのに、あちら側が望んでいる血を提供できないなんて……。

それでも「ごめんなさい。」と言われ、さらには「ありがとうございます。」と感謝までされてしまう。

なんだか居た堪れなくなるなあ。

高校生の時、友人に連れられて献血ルームに足を運んだのがきっかけで、なんだかんだ続いているが、思いやり精神は多分少ない。提供するにあたっていろんなオプションがなければ、見向きもしなかっただろう。

本来、私の方が「ありがとう。」と伝えるべきかもしれない。

最近は連続して‘ヘモグロビン不足’でお役に立てず、すごすごと帰ることが多かった。健康体でなければ、誰かに何かを分け与えることは難しいのだ。たかが一滴の血、されど一滴の血。

(↑血小板だけを採取する成分献血なるものもある。400ml献血より低い基準で設定されていて、いつもこちらを選択するのだがそれでも引っかかる……。(――;)←不甲斐なさにこんな顔になる。)

「アンパンマンてすごいですね…。」

思わずこぼした一言に、大笑いされた。




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