「思い出ひととき」
- ユウキ サクタ
- 9 時間前
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先週土曜日にFM滋賀でオンエアされていたOLDIES GOODIESの番組に、なんとGARNET CROWメンバーの作詞家兼ピアニストさんがゲスト出演していました!
ハンドドリップで珈琲を淹れ(フードペアリングのお菓子も忘れない)、久しく開いていなかったradikoアプリを開き、高性能Bluetoothスピーカーを借りて正座待機。開始時刻から2~3分遅れで、真昼のラジオに相応しいリズミカルで軽やかな雰囲気の音楽が流れてきて、番組がスタートした。
こちらの番組、フォークシンガーと音楽プロデューサーの2人組がパーソナリティとして主に1950年代~70年代の洋楽を中心に紹介しているそうだ。またプロデューサーさんとご縁のあるミュージシャンが出演することもあり、今回はその流れで引っ張ってきたとのこと。(ラジオの中でもオファーではなく引っ張ってきた、と言っていた。)
このバンドが解散してから早12年。いつのまにか干支をぐるりと一周していた。
もはや音楽やライブ映像でしか、彼らの声を辿ることができなくて(日々の暮らしに忙殺されてのんびりライブを振り返る余裕もない)、その輪郭線も朧げになりつつあった。
でも夢中になったものというのは、ほんのちょっとしたきっかけで鮮やかに蘇ってくるものです。
ラジオから聞こえてきた声は、モデルスタイルの大きな瞳で可愛らしいふわふわした印象とのギャップが強い、低めの落ち着いたトーンの関西弁だった。そうそう、この人はこんな声でこんな喋り方だったなあ。
バンドを組む前のエピソードや、作詞作業している時苦労したこと、活動当時どんな心境だったかなど、知らなかったお話がいくつか出てきた。バンドの代表曲も5曲も流してもらって、濃密であっという間の1時間だった。……でも正直、不満がないと言えば嘘になる。
だって1時間じゃ足りないですもん。もっと楽曲について深掘りして欲しい!とか、この人にもっとおしゃべり時間割いて~!とか、何度思っただろうか。意外にもこの人が聞き出し上手なところがあって、パーソナリティさん方の人生や最近の出来事までぽろっと喋らせていて、聴いてる最中どちらがゲストだっけ?と錯覚した瞬間が多かった。そこもまた意外な一面だったのだが。
「感情に敏感になっていた」
「詩を書き終わっちゃうと満足して全部忘れちゃう」
「思い入れが深いから活動期間中は結構きつかった」
限られた時間の中でも、当時は知らなかった素直な言葉は聞けた気がする。ラーメンや鮒寿司の話が出てきて、斜め方向に脱線していったのもこの人らしいなと思った。姿が見えないラジオだからこそどんな表情で語り合ってるのか、自分の美化された思い出とともに想像することもできた。
聴き終わった後、もうこのバンドが再結成することはないのだという確信が心に湧き上がっていた。この人はもちろん、メンバーそれぞれが既に自分の道を歩いていて、バンド活動は過去の思い出の1つとなっているのが伝わってきたから。
radikoアプリを閉じてから、淹れた珈琲もすっかり冷めていたことに気づいた。

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