先日アトリエの片付けをしていたら、大学院時代のゼミで収集した100枚写真が発掘された。実家からかき集めた写真やiPhoneに収まっていた画像を印刷して、確か「色彩」をテーマに厳選した100枚を披露した記憶。そのうちの1枚が描画材の散らかった机の上から出てきた。
赤ん坊時代の自分が、母の友人夫婦からいただいたハワイ土産のベビー服とリボンを着せてもらってソファに座り込んでいる。当時はフィルムカメラで、色味も少し彩度が青みがかった雰囲気。四つ角が暗めな画像になるのも特徴で、この時代のアルバムを見返すと中心だけがぼんやり明るい写真が何枚もあった。右下には撮影した日付が橙色で「’95 7 12」と刻印されていた。だいたい生後三ヶ月頃のこの子をまじまじと見直してみると、目元や眉毛はこの頃と変わらずそのままの形を維持したまま今に至っている。特に眉毛の太増しさは今なお健在で顔面の印象を決定づける役割を果たしている。この眉毛とはそれまでも一悶着あったり、誰かとの会話の種になったりして、なんだかんだ身近でお世話になった箇所である。小学校にて『ゲジゲジだね!毛虫いるよ。』と子どものオブラートに包まない直球の言葉を投げられた時は泣いたそうな。しばらくの間コンプレックスのような感情を抱いたのは言うまでもない。
ただ不思議だったのは、メイクやファッションで眉毛を変えようと言う発想は起きなかったことだ。気づいたらほとんどほったらかし状態でここまで来てました。めんどくさがり屋と纏めてしまえばそれまでだけど……なんとなく流行に併せて大幅に形を変える事に抵抗があったのも事実なわけです。伸びてきた毛先をといて眉カット用ハサミで切り揃える程度。おかげで赤子の時と眉毛の印象はほとんど変わっていない。今はきっと自身のアイデンティティとしての一面も持ち合わせていることだろう。
細眉が流行したり逆に太眉が注目されたりを繰り返してきたが、さて現在はどちらがトレンドになっているのか。
相方にも写真を見せたところ、「この頃から顔面既に完成されとるやん。」との感想をもらった。ある意味「三つ子の魂百まで」かも。
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