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『言語の音〜エストニア編〜』

  • 執筆者の写真: ユウキ サクタ
    ユウキ サクタ
  • 1 時間前
  • 読了時間: 2分

最近我が家でエストニア語が流行している。

相方が音楽活動を通じて知り合ったエストニア在住の友人の楽曲や、お勧めされたミュージシャンの音楽が毎日リビングに流れている。もちろん全てエストニア語である。

いつのまにか本棚に新たな本も追加されていた。目につく高さの段に収納されているのは、これまたエストニア関連の書籍。オススメ旅ブック、文化経済科学の紹介、歴史、文法や言語の学習書など。(全て相方が短期間でネット通販にて購入したものだ。エストニアを専門的に分厚く紹介している本は意外に少なく、近所の書店では見つからなかったらしい。)

エストニア語で「ありがとう」は「aitäh」‘アイタ’と言う。日本人にとってもなんて発音しやすい言葉だろうか。1歳に満たない息子が発しているのだから。「ありがとう」を完璧に発する前に「aitäh」を習得している。

文字としてはラテン文字。英語やローマ字でも見慣れたもので、追加形態でa・b・zにウムラウト、ハーチェク、チルダと言った付加記号が着いている。読み方は基本的にローマ字読みと一緒。ドイツ語、ロシア語等からの影響も受けているが、インド・ヨーロッパ語族ではないようだ。フィンランド語に近い。

先月、相方がはるばるエストニアへ友人達を訪ねて行ったのだが、日本からは直通の便がなく、ヘルシンキ空港を経由したフライトだった。ヘルシンキからタリン空港まで飛行時間30分。関西空港から仁川空港まで行くよりも近い。しかもプロペラ機のような小型の飛行機。遊園地のアトラクションみたいな素朴さだったらしい。

日本と比べて国土も人口も小規模、送られてきた写真や動画には時間の流れすらも違う風景が映し出されていた。しとしとぽたぽたと降る雨、濡れた地面に反射してる旧市街の建築、朝「焼け」というには穏やかな青みがかった静かな景色、何の揺らぎもなかった水面を気ままにのんびりとすい~と泳いでいく一羽。……ああ、この場所この風景にしてこの言語ありだな、となんとなく腑に落ちた。音の並び・響き、発音のアクセント、繰り出す言葉のスピード。せかせかぎゅうぎゅう箱詰めの景色で耳にする日本語と全く違う印象である。

ただいま相方がエストニア語を勉強中。(友人達とはこれまで英語でも充分に会話は成立していたが、せっかくなのでゼロから学んでいるとのこと。)

私と息子は……その勉強のおこぼれをもらっている。


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