作品が1点めでたくお嫁にゆくことになり、この機会にハイデンバン作家さんの一人から作品用の箱作りを教わった。
「「よろしくお願いします!」」
15時、板状の段ボールを作業テーブルに乗せワークショップ開始。
「小作品なら直接作品を合わせて展開図の型を取った方が確実ですね。」
「梱包材の余裕も考えて多少大きめに作ったほうが良いです。」
「カッターの刃のカバー部分(焼入れ爪)で、折り曲げるところに切り込み入れるとスムーズにできますよ。」
「「おお〜!すごい!!」」
友人と二人一緒に教示を受けたのだが、手際の良さはもちろん段ボールの構造やそれに伴うカッターの扱い方まで、まさしく手取り足取り状態だった。
様々な感嘆詞が、アトリエ内で賑やかに飛び交うひとときは久しぶりだった。
今まで使ったことのない材料も知った。
「水張りテープで段ボールの切断面を補強しておくのお勧めです。いろんな色もあって個性出ますし見栄えも良くなりますよ。」
水張りテープ?
画材屋では主に日本画の売り場にあるようで、見た目は普通の紙テープと変わらない。でも水につけると裏面が糊状になり、かなり強力な接着テープになる。水彩画や日本画を描く際、木製パネルに紙を固定する時に使用される。
「切手みたいな仕組みだね。使ったことある?」
「高校の時に買った水張りテープが残ってたなあ。あまり使わんかったけど。」
「あ……、これは粘着が弱くなっちゃってますね。」
「えー?消費期限とかあるんですか?!」
初めての箱作りは試行錯誤の繰り返し。およそ2時間弱かけて365×285mm作品の専用箱を作り上げた。いつの間にか、ベランダに通じる大窓は夕暮れの眩しい光線を招き入れていた。
「これ覚えておいたら、手作りのキャンバス比率でも作れますよ。一日がかりの作業になりますが。」
「「助かりました!ありがとうございます!!」」
想定外のことも幾つか起きつつ、終始ワクワクしたワークショップだった。
美術館や博物館のワークショップ再開も待ち遠しい。
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