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  • 執筆者の写真ユウキ サクタ

『百薬の長』

更新日:2023年3月15日

タコハイにはまりました。

‘酒場で愛される’をキャッチコピーに販売されているこちらの商品。普段飲み会で飲むお酒といえば、果実酒やフルーツ酎ハイが多く、少し背伸びしてハイボールや日本酒を選ぶというのが定番だった。一方タコハイはアルバイト先の居酒屋でも見かけた事が無いのだが、お酒好きには一目置かれている存在らしい。

乾杯の音頭をとって、夕食時に一缶開けた。タコハイのタコは、文字通りあの海洋生物のこと。甲類焼酎を炭酸で割った飲み物だが蛸の味は分からない。のどごしはスッと溶け込み、炭酸独特の呼吸を邪魔するような重みをあまり感じない。(これは私自身がビールや炭酸割のお酒に慣れたのもあるが、炭酸飲料を飲んだ後に襲ってくる胃袋からの空気の逆流がなかなかきつい時期があった。)

甘いか辛いか苦いのか、明確に定義するのが難しい不思議な味で、フードペアリングする食事メニューによって味が変化する。

ハヤシライスではレモンのような柑橘系の酸味。塩味プレッツェルをおつまみに食べながら呑んだ時は控えめな甘味。照り焼き風味の豚肉団子と組み合わせた時は、海水が鼻に入った感覚になりツーンとした塩気を感じた。口当たりが良いため、あっという間に一缶を飲み干し、二缶めも難なく開けて意気揚々と晩酌を楽しんだ。

ただし、タコハイはアルコール度数が6%とビールよりも高く、高揚した気分に乗っかりうっかり呑み過ぎてしまうと、時間を置いてから酔いが全身に回って視界もぐるぐると回転していく。三缶め呑みたい欲求を、少ない理性で抑え込んだ事は過去の失敗からの成長である。


ほんのりと酔った精神状態は、素面の時より感覚が洗練される瞬間がある。気分転換に演奏するギターコードが上手く弾けたり、少ない語彙力の英語で会話がポンポン弾んだりなど、ブレーキが緩んで良い方向へ転がり込む一例だ。学生時代にも、酩酊状態で描いたドローイングが普段よりも思い切りの良いストロークで描けていた。だが同時に酔いが酷過ぎて絵筆すらろくに持てない状態で描いたであろうとんでもない作品も残っていた。

洗練と堕落、この瞬間を見極められるようになる事が、お酒との大人の向き合い方なのかもしれない。


酒は百薬の長、その後に続く「されど万病の元」も忘れずに。




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