『珈琲時間 2025夏』
- ユウキ サクタ
- 8月8日
- 読了時間: 2分
ポットにお湯を沸かして、珈琲ミルに豆をセットし、ゴリゴリゴリと挽いていく。珈琲豆の砕ける音とじんわり広がる香りを脳内に行き渡らせ、「今日何をしよう?」とぽやぽやと1日のスケジュールを考えながら淹れたての熱い珈琲をいただく。猛暑だろうが酷暑だろうが自宅で淹れる珈琲はいつもホット。去年まで毎日欠かさない朝のルーティンだったが、今は子育ての合間、ちょっと余裕ができた時だけ過ごせる貴重なひと息タイムだ。
ただいまストックしている珈琲豆はブラジル産カフェインレスの豆。大量の水で念入りに洗浄し99.9%のカフェインを除去したものらしい。水に浸して濾過するだけで取り除かれるのか?と疑問に思ったが、これは水抽出法と言って確立された方法だ。日本で流通しているカフェインレスの殆どが、この方法で作られている。
最近は「デカフェ」と言う方が主流になってるのか、いつもの珈琲屋さんで注文した時も「ああ、デカフェ500gね~。」と店主さんが言い直してる場面に遭遇する。英語の“decaffeinated” (カフェインを取り除いた)の短縮形“decaf”が語源。ただし、発音はフランス語の“décaféination”が由来。たった一言に、多様な海外の文化が入り混ざっていた。
挽きたての珈琲豆にゆっくりとお湯を注ぐとコポコポコポと音が聞こえて、新鮮な豆だとさらにふわりと膨らんで小さな山が形成される。幼い頃、公園の砂場で作った砂山の映像が浮かんでくる。深く掘っていくと見えてくる、ちょっと湿って濃くなったあの砂の色彩。2巡、3巡とお湯を注ぐ。砂山が沈んでは浮かび、浮かんでは沈み……、呼吸をしているかのようにぷかぷかぷかと形が変わってゆく様を眺めるひとときが、珈琲タイムの中でお気に入り。
久々にできたゆとり時間、熱々のマグカップを両手で抱えて、冷房がガンガンガンと効いたリビングで珈琲の香りに包まれている。淹れ終わった後に、豆の殼が綺麗にドリッパーの形に沿って残った時は上手にドリップできた証。同じ豆でも淹れる人の経験値や技術によって味は大きく変化する。それなりにドリップ回数を重ねてきた今、ちゃんと安定した淹れ方を身につけられてる?だろうか。

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