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『春はニャンコ』

  • 執筆者の写真: ユウキ サクタ
    ユウキ サクタ
  • 2020年5月7日
  • 読了時間: 2分

本格的に京都市民になるべく、住民票の変更手続きをしていたときのこと。

新しい日々を迎える準備のため、この時期は様々な人が市役所を訪れていて、文字通り受付の向こう側はてんてこ舞いのご様子。

仕方がない、気長に待つさ。

書類に必要事項を記入し提出して、ロビーのソファに腰掛けながら、流れているテレビ番組をぼんやり眺めていた。

『ニャンコ♪ニャンコ♪花さかニャンコ、あの子が歩けば花がさく』

『ニャンコ♪ニャンコ♪花さかニャンコ、赤、白、黄色に、青、ピンク……』

『枯れ木に花を♪ピポパポパ♪』

『鼻にも花を♪ピポパポパ♪』

『ニャンコ♪ニャンコ♪花さかニャンコ、宇宙の果てまで花いっぱい……』

…………なんだ?この歌は。

テレビのない生活3年め、初聴きの曲に布団から飛び起きたような感覚にされた。絵柄的に子ども向けの歌なのかな?

3分足らずの歌の後に春野菜や筍を使ったレシピ番組が始まったのだが、件のニャンコソングが頭の中でリピートしていて、情報が全く入ってこなかった。(美味しそうな筍のおひたしの画像だけぼんやり覚えている。)

「○○番でお待ちの方、手続きが完了しましたー。」

無機質な声に呼ばれ、自分のやるべきことを思い出し現実に戻ってきた。諸々の説明を聞いて市役所を後にした。

『〜♪♪』

自転車に乗って柔らかい風を受けながら、無意識に先ほどの曲を口ずさんでいた。

何の歌だったんだろう。

ずーっと耳に残る歌詞とリズム、そして歌えば歌うほどこみ上げてくる不思議な笑い。

どちらかといえば猫より犬派の私だが、あのアニメーションの猫には癒しを感じた。

こんなご時世だもん。癒しは大事よね。

帰宅後に調べてみたら、そのまま『花さかニャンコ』という歌だった。

そして納得した。不思議と笑えてくる現象は、大学内でよく見かけた彼を思い出したからだ。

美大のキャンパスには必ずと言って良いほど猫がいる!(行ったことのあるor聞き込みした美大にはみんないた。)

3月に大学院を修了し学生を終えてから、あの子には会えていない。あのニャンコはどうしているかな。

ニャンコ、ニャンコ、花さかニャンコ、赤、白、黄色に、青、ピンク……♪

以来、ふとした時にこの歌を口ずさんでいる。アニメーションの動画と、今まで出会った猫たちの映像が交互に脳内再生される。

時期が落ち着いたら会いに行こう。

そんなことを思った、春の昼下がり。



*画像は友人が以前撮影した彼の猫(まだ子猫の時期)




 
 
 

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