アーティストフェア京都に行って来た。
ハイデンバンからも複数の作家さんが参加しているこのアートフェアは、意外にも歴史は新しい。今年は4回目の開催。
知り合いの特権フル活用で招待券を貰い、事前予約して会場へ向かった。予め予約が必須となったのは混雑を避けるため。
京都文化博物館と京都新聞社ビル地下1階を会場に、絵画・彫刻・インスタレーション・映像作品がその場に呼応している。
最初に地下ビル会場へ。無機質なグレーのコンクリート造の空間は、明かりすら均等に配置されていないかつてのアカデミックな展示空間では
悪条件となる環境すら、作品を生かすきっかけにできるのだから‘現代アート’は面白い。
入ってすぐに映像作品。立体や平面作品は地下ビル独特の地面の凹みや段差を避けつつ、鑑賞者を誘導する動線を設定していたり、段差を埋めてさらに足場を組んでいたり……。重厚な美術館とはまた一味違う緊張感を味わえる。
続いて京都文化博物館へ。途中立ち寄った新風館で購入した、フェアのサテライト展示パフォーマンスであるポン菓子を持参。ポン菓子自体が作品の一つなのだとか。
館内は工事現場の足場のようなものが組まれ、即席の二階が出来上がっていた。毎年このような展示空間が設定されるが、近代洋風建築の重要文化財のホールで発生する異なる趣のぶつかり合いは違和感満載。さらに其処へ‘現代アート’の他種多様な表現が溢れかえっている。
カオスだ……。
とは言えソーシャルディスタンスが定着している今、作品も作家ごとにある程度距離が保たれていて、のんびり遠くから、はたまた近くからと、じっくり鑑賞できるのは有り難かった。一昨年のフェアでは所狭しと作品が並べられていて、その間を鑑賞者が縫うようにして進んでいたのを覚えている。作品と人、どちらが場を制していたのか。
「来てくれてありがとなー!」
友人も出展したこのフェアは、とある強力な法則があるようで。
名前と作品だけ知っている作家、ずっと以前にギャラリーで会った作家、京芸や名芸の先輩、大学院修了以来会っていなかった友達、学部卒業以来会っていなかった友達にも再会した。
「お元気そうで何より〜。この映像の編集作業が大変で、ぎりぎりまでうわあーってなってました……。」
「今大阪のデザイン事務所で働いてんの。めっちゃ忙しいけどめっちゃ楽しいで。」
「このチケット、徳島県立美術館の学芸員さんからもらったんだ。来れて良かったよ。」
たった1日で大勢の懐かしい人々と出会う——。実はこうした経験は何度かある。決まって場所はアートが息づくこんな空間。
世界は広いようで狭いもの。類は友を呼ぶ、をしみじみと感じた1日でした。
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