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『季節折々』

  • 執筆者の写真: ユウキ サクタ
    ユウキ サクタ
  • 2023年6月24日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年6月28日

日本列島は全体的に温帯気候に属しており、四季ごとの風景や肌感覚での空気の変化を感じられる。ただそうは言っても南北に伸びて急勾配な山脈が連なる地形では、地域によってやはり大きな差が生じている。北海道と沖縄の違いは言うまでもないが、本州内でも違いは顕著だ。


本州最南端の和歌山県潮岬へ友人達とドライブした日は12月下旬。出発地点のうっすら雪が降っている名古屋からレンタカーを交代に運転し、目的地まで向かった。宿泊先の木造ロッジ周辺は雨や雪はないもののどんより曇り空で、いかにも全身を冷たい針が刺してくるような彩度に覆われていたが……。

「ちょっと暖かいね。」

名古屋より防寒着を着込む必要もなくて、吹きつく風も温水プールのような冷た過ぎずほどほどに人肌の温もりのような心地よい感触だった。近くの居酒屋さんでお酒を沢山飲んだ後の夜道も軽やかにスキップしながら歩いた記憶がある。この時の気温は確か12℃だった。

アートみやぎ2019のチラシをたまたま見つけ、思い立って東北地方の仙台へ一人旅したのは3月の終わり。次の日は4月になる日程だった。東京や京都では桜や梅の花がすでに開花していて、花びらの前線がじわじわと広がりを見せていた。出展作家の鈴木ヒラクさんが美術館内のロビースペースをいっぱい使ったライブペインティングをちょうど開催していた。休日ということもあって老若男女たくさんの人でにぎわっていた。鑑賞後に近くの東北大学植物園を散策したのだが、その散歩道がどうも春らしくない。昨夜の雨の影響かぬかるんでパリパリと氷の砕けるような音がする。木々の隙間から上空を眺めると風に乗って細かな灰色の粒が舞い降りてきて、あっという間に横殴りの吹雪となった。薄手のデニムジャケットとマフラーだけで出歩いていて、手袋をしていない指先は真っ赤に腫れ上がった。慌てて室内の暖房が効いた空間に逃げ込んだが、くしゃみと歯のカタカタ響く震えが止まらなかった。商店街で上着買わなきゃ……東北の3月を甘く見ていた。温度計は3℃を示していた。


今は京都、じっとりと湿度が纏わりつく梅雨時の空気感をアトリエにて味わっている。





 
 
 

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