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  • 執筆者の写真ユウキ サクタ

『地域の音〜踏切編〜』

展覧会のご縁でおよそ3年半ぶりに東京へ行った。今回赴いた場所は、品川から天王洲辺りのエリアで海風や港独特の音と匂いが感じられ、ステレオタイプの東京とは少し趣きの異なる印象だった。おかずをぎゅうぎゅうに詰め込んだ海苔弁当のような高層ビル景色だけではなく、歴史のある商店街、築数十年は経過していそうな区営のアパートが品川駅の徒歩圏内にあり、現在参加中の展覧会会場であるWHAT CAFEは、かつて倉庫だった場所を改装してギャラリーとカフェが融合したアート・スペースになっている。

WHAT CAFEからJR品川駅までおよそ徒歩20分ほど。天王洲運河に架かるふれあい橋と楽水橋を渡り、上り坂と下り坂を繰り返し、八ツ山橋から東海道新幹線とJR線を見下ろしながら駅へと向かう。

展示作業が早めに終わり、東京を散策しようと品川駅までこのルートを歩いていた。八ツ山橋の手前に架かる京急本線の踏切にて、左右それぞれからの急行と鈍行合計4本の電車を見送った時のこと。遮断機が腰の高さにある間、頭上では踏切特有のあの音が響いていた。だがいつも聞いている音と違う感じがした。京都で耳にする京阪線や阪急電車の踏切音に比べて、半音程甲高い印象だった。音自体の雰囲気も、身体の中心部にまで叩きつけられるものでなく、もっと抽象的な、音の始まりと終わりが掴みづらい、脳にじわじわと纏わりつくような感覚。これはこれで強烈な警戒を促しているだろう。(あくまで個人の感想ですが、それくらいに音の違いを感じたのです。)

黄色と黒色の縞模様に真っ赤な警告カラーを点滅させる定番スタイルはどこでも見かける。あまりにも定番過ぎて、こんなところにまで地域の違いが表れている事に気づかなかった。よくよく観察してみると、踏切の点滅と音のリズムが若干ずれている。じっと眺めていると不快感が増し、全身が緊張状態になる。(京都に帰宅して自宅近くの踏切でも確認すると同じようにずれが生じていた。この点は共通しているようだ。)

周りに危険と注意を促すための効果は絶大で、でもその中でも地域の特色やちょっとした違いが出来上がる事に、クリエイティブな思考を発見した。


久々の東京散策の思い出がそれかい!とのツッコミが聞こえてきそう……。





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