『再会の味』
- ユウキ サクタ
- 2023年7月15日
- 読了時間: 2分
淀駅前の商店街に新しくスパイスカレー屋さんが開店した。コック帽を被ったとらねこが看板キャラクターを務め、お店の外にも香りが溢れるほど濃密なカレーオーラを放っている。
先月初めて扉を開けて、5年ぶりに会った大学時代の友人とスパイスに包まれた店内に入り込んだ。
かつて美容院だったこの店舗は天井が吹き抜けでとても高く、大きな窓からいつもの小さな商店街の光景が透きとおっている。店長さんの趣味なのか、New Balance等のブランドスニーカーや京都を拠点とする京都サンガF.C.のユニフォーム、ディスプレイが飾られていた。
初夏特有の梅雨と猛暑が入り混じった複雑な空模様で、食欲がいつもより控えめだったが3種類のあいがけスパイスカレーを注文。
「お待たせしました~。3種あいがけカレーです。」
運ばれてきた大きな平皿は深い青色だが、その色彩が全てターメリック特有の黄色~赤茶色の暖色系に覆われている。日替わりメニューはローストポークカレー、出汁を使ったキーマカレー、帆立バターカレー。辛口・中辛・甘口のバランスが絶妙な種類の選別。塊の豚肉をふんだんに使い定番ながら徐々に辛さが広がっていく濃い色彩、変わり種の出汁は懐かしい風味、帆立は弾力が強く噛むたびにスパイスと貝柱の旨味が入り混じった海心をくすぐる味、それぞれ独立した美味しさを持っている。
胃袋の心配は杞憂だった。ぱくぱくとスプーンが止まらず、あっという間に三つの味が融合したカオスなカレーが誕生した。綺麗に三分割されて盛り付けられても、最終的にはトッピングも含め全てが混沌としていく。あいがけカレーの醍醐味だ。
「全然変わってないね~。」
久々に再開した友人にも健全な食べっぷりを安心された。ただお互いの暮らしのリズムや環境は昔と少しずつ変わっていて、近況を報告しあったり他の友人達の様子を聞いたり、’今’と’かつて共有した学生時代の日々’と、2つを繋げている5年という時間、様々な記憶の映像がスパイスの香りに纏われてまた新たな思い出を量産していた。
「私ちょいちょい京都来るし、今度は飲みに行こうよ!」
此処での再会の味もスパイシーなカレー味。次はお酒とおつまみの酔どれ味だろうか?

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