名前に「ちゃん」を付けて呼ぶ。心理的には、可愛いと思ったり守ってあげたいと感じさせる人に対してそのように呼ぶ事が多い。ごくありふれた呼び方だが、果たして何歳までの人をそう呼んで良いのだろう?
以前にも記した通り、母は松田聖子さんの筋金入りのファンだ。
「聖子ちゃんのCD買ってきたよ。」
「今日歌番組に聖子ちゃん出るで!」
「聖子ちゃんのコンサート日程出たわ!!」
おかげで私も彼女の名前は、’さん’付けするよりも’ちゃん’付けで呼ぶ方がしっくりくる。
「もう’ちゃん’なんて年齢じゃないだろ?変なの!」
母が舞い上がっている度に、父は漫画のようなジト目でツッコミを入れる。これはいつからかお決まりの会話の流れになっていた。そんなある日に、
「でも’おじいちゃん’とか’おばあちゃん’って普通に言うよね?父ちゃん母ちゃんもあるし。」
何気なく思った事を呟いたら、
「ぐぬぬぬ(という擬態語がぴったりくる表情をしていた)。確かに……。」
と妙に納得していた。
(そういう父親も’中森明菜ちゃん’・’南野陽子ちゃん’など、好きなアイドルや女優を普段から自然に’ちゃん’付けしていた事を、私はばっちり覚えている。)
「ちゃん」という単語は江戸時代まで遡り、名詞としては父親を呼ぶ時に用いられた言葉だそう。江戸~明治時代にかけて庶民の間に浸透していった。(wiktionary webページ参照)
名前の後ろの「ちゃん」はいつから使われていたのか分からなかった。一説では「様」をより親しみやすく感じられるように転化していったというのがある。
では此処で、個人的に’ちゃん’付けしている人を整理してみよう。
女優の芦田愛菜ちゃん、スキージャンプの高梨沙羅ちゃん、卓球の伊藤美誠ちゃん、福原愛ちゃん、スケートの浅田真央ちゃん、嵐の相葉ちゃん(我が家だけかもしれませんが。)……。どうやら私はアスリートに対して’ちゃん’付けで呼ぶ傾向があるようだ。後半の3名は私よりも年上なのだけど、’さん’だと少し面映ゆい気がして結局’ちゃん’で落ち着いている。
呼び捨てで良いじゃないか!との意見が出そうですが、その呼び方もなんだか違和感を抱くのです。我儘な感覚ですね。
Comments