珈琲のおともといえば、甘いお菓子はその代表格。クッキーやチョコレートやケーキ……どれもスーパーでお手軽に購入できてしかも美味しい。ただ時々ちょっと気分を変えて、手作りのフードペアリングを楽しみたくもなる。手作りと言っても本格的に見栄えや高いクオリティを追求しているのでもなく、ぼんやりと『こんなもの食べながら珈琲飲みたいなあ。』・『このレシピ作ってみたいなあ。』と思いつきで始めることが多い。あと、余って長期間放置されていた材料をどう使い切るか?——現実的な考えが出発点だったりする。
ぐりとぐらに登場する『絵本のような大きなホットケーキ』のレシピを見つけて、朝から意気揚々とキッチンに立っていた。レシピ本に記されていたホットケーキミックスが見当たらず、薄力粉と砂糖とベーキングパウダーを混ぜたもので代用。直径16cmサイズのフライパンの代わりに13×18cmの卵焼き用フライパン(つまり四角い)を使った。
卵と低脂肪牛乳をしっかり混ぜ、お手製のホットケーキミックスを投入しさっくりと混ぜる。フライパンには油を引かず、ガスでしっかりと温めてから一度濡れ布巾で冷ますのがポイントだそう。高い位置から材料を流し入れ、弱火で両面焼いていく。やはり四角形のフライパンだったからか、上手くひっくり返すことができず生地の材料を少し零してしまった。それでもなんとか裏面までこんがり焼いて、少しでもお洒落に見えるような木製のお皿にホットケーキを乗せ、珈琲と一緒にちゃぶ台に置いた。
カリッと焼き上がった表面は、確かに油を引いた時より焦げ目のムラがなく綺麗な焼き色。この焼き目が意外と固く、サーターアンダギーのような香りが漂った。ひっくり返すのに苦労した形跡が、ケーキのしわくちゃ加減と細かな端切れに残っている。
レシピ本のお手本写真にも、ぐりとぐらが森の中で作ったカステラにも似つかない、歪な四角い巨大ホットケーキが完成した。切り分けて蜂蜜をかけて食べた。
この日の珈琲豆はドミニカ産の’バラオナAA’。中南米産の中では酸味が控えめで、苦味とのバランスが良くコクが深い。香りはほのかに甘かった。ホットケーキは相性ぴったりなフードペアリングだった。朝食時間30分足らずで、巨大ホットケーキはあっという間になくなりました。
‘フードペアリング’は珈琲だけでなく、ワインやビール、最近では日本酒の世界でも話題になっている食べ物と飲み物の相性。珈琲も甘い物だけに留まらず、ホットドッグやカレーライス等、がっつりとした料理との相性がぴったりな珈琲豆もある。
珈琲沼にはまって4年め。まだまだ底は尽きない。
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