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執筆者の写真ユウキ サクタ

『エスプレッソの巻』

10月1日はコーヒーの日。10月が珈琲の新年度の始まりだからだそうだ。そして秋から冬にかけて温かい珈琲が恋しくなってくる。


アトリエに新たな珈琲器具、エスプレッソマシンがやってきた。ハンドドリップ用の道具類やフレンチプレス器と違い、‘マシン’と名のつくだけあって重厚感のある構造。此処に来るまでかなり使い込まれていたのか、既に焙煎したての珈琲豆のような香りを纏っていた。

取扱説明書をwebからダウンロードし各部の名称確認。(時代は進んだなあ、としみじみ感じる。)

エスプレッソは高圧力をかけて素早く抽出する淹れ方。イタリア語の‘急行列車’が語源の由来なのだとか。

珈琲を抽出するスイッチの他、豆をセットするフィルターホルダー、スチームノズル、スチームノブといった箇所もある。(こちらは熱湯や蒸気が出てくる。カップを予め湯煎したり生クリームを泡立てるのに使うらしい。喫茶店の厨房から沸き立つ湯気の正体はこれか!)

思い立ったが吉日。早速説明書画面を見ながらマシンを操作してみた。

セットした水が温められ、抽出準備完了の点灯がつく。コーヒーカップの印があるスイッチを押して抽出スタート。

文字で表現しきれない動作音が流れ、緩やかにエスプレッソがお皿に注がれていく。※現在ハイデンバンにはエスプレッソカップがないため、マシンに収まる小さなお皿で代用。

待つ事20秒。愛用のマグカップに移し替え、初めての手作り(?)エスプレッソを味わう。いつもより香りが凝縮されとろりとした味わい。普段から使っている珈琲豆だが、かなり濃く抽出されている。うまく抽出できたか見極める点は、表面全体に細かいクレマ(泡)ができると良いらしい。ただし今回はお皿なのでお察しの通り……。


共有リビングでのんびりしながら、初めてエスプレッソを飲んだ時のことを思い出した。

ドイツのカッセル都市のこじんまりとしたカフェで、以前から気になっていたEspressoという名称の珈琲を注文した際、

「Really? It’s too bitter.」——大丈夫なの?これすっごく苦いよ。

「Kein Problem!」——問題無いです!

かなり幼い未成年だと思われたらしい。ウェイターのおじさんにびっくりされた上に妙な気使いまでされた。

この思い出から4年以上が経過する。無事にあのカフェも時世を乗り切っているといいな。


ただいまハイデンバンは潤沢な珈琲器具が勢揃いしています。珈琲好きな方もまだそうで無い方も、ぜひぜひ遊びに来てください。

……エスプレッソカップを用意しておかないと。



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