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執筆者の写真ユウキ サクタ

『アトリエアップデート』

境谷小学校のアトリエメンバーとして新たに2人が加わった。全員で4人。所狭しと作品や画材が溢れかえる空間を久しぶりに眺めた。

2つのアトリエを拠点に構えて、もうすぐ半年が経つ。めまぐるしく環境が変わって、ついていくのが精一杯だった。そんな中で馴染みのある顔ぶれが集まることになり、ほんの一息つけられそうな気がした。

7月の個展でも、知り合いより初対面の人との会話が多く、無意識に神経を研ぎ澄ませていた。それほど人見知りするタイプじゃないのだけどな…?

少しだけ斜めに差し込んでくる日光を眺めながら、改めて小学校というアトリエを肌で感じる。

給食時間のBGM。委員会の仕事で放送アナウンスを担当している生徒の辿々しい声は、今時の子どもらしく少々早口。

掃除の音楽は英語のきらきらぼしやロンドン橋、ゆかいな牧場という懐かしい曲のオンパレード。

「こらー!ちゃんと掃除する!」

はしゃぎ声を切り裂くような先生の叱る声も、制作のための適度な効果音になりそうだ。

夏場は暑さと個展のための追い込みで、周囲を見渡す余裕があまりなかった。ほぼ一人で誰とも会話をすることなく黙々と作品を描いていく。基本的に作品は一人で作るものだから。美大生という肩書を使い終わって、社会人として作家として自立していかなくてはならない。作家の自立とは、一人でも制作を続けていくこと。文字通り最初から最後まで一人で。

——どこかでそう決め込んでいる部分があった。

とはいってもなかなかスイッチが入りきらず、モヤモヤとした時間の過ごし方をしていた。さらには‘大きな作品を描く意味なんてあるの?’と去年の自分からは想像もつかないような疑問も湧いてきて、せっかくアトリエに行っても制作を進められないこともあった。

「9月から早速ここのアトリエ使いたいです!よろしくお願いします!」

急に賑やかになったアトリエ空間。

ころんとビー玉が転がっていくように、いろんな思いつきが湧いてくる。誰かの制作姿を横目に作品を描いていく。ただそれだけだが、いろんな刺激を受けられるものだなあと改めて実感した。




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