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『アイデア瞑想』

  • 執筆者の写真: ユウキ サクタ
    ユウキ サクタ
  • 7 日前
  • 読了時間: 2分

定期的にやってくる、木工作業欲。

展覧会に向けて新しい作品を(半ば強制的に)作らねばならない時、強烈に木工作業をやりたくなる。と言っても本格的なDIYというわけではなく、キャンバスの支持体作り限定であるが。

電動ノコギリで木材を切断したり、インパクトでビスをひたすら打ち込んだり、大作サイズになるとホゾ組みで補強したりする。作業工程は学生時代に教えてもらったものと殆ど変わらず、ボロボロになった説明書を確認せずとも身体が覚えていて、なんにも考えずに黙々と作業を進めていける。坐禅を組んで瞑想してる感覚に近い。

先日は40~90cmサイズの木枠を作成した。このくらいのサイズ感が一番作りやすい。(130号規模になるとホゾ組みが増えたり、正確に90度の角度で組み立てるのが難しくなったりする。木が撓んでいる時は強引にビスで固定することもある。)

電鋸でカットした面は綺麗な直角面。普通のノコギリでは決してできない断面図。ビスを打つ位置を決めて、まずビットで下穴を空ける。その後ようやくビスを深く打ち込んで木と木を繋げる。昔はよくこの下穴の空ける作業を怠り、大切な支持体になるはずの木にひびを入れてしまっていた。どれだけ貴重な木材を無駄にしただろうか……。金額が恐ろしくて考えたくない。

工具の騒音がひと段落して、木枠が完成する。ここからようやくガンタッカーとキャンバス張り器とキャンバスロールを引っ張り出し、木枠にピシッと張っていく。そしてさらに気をつけないといけない点が。張り器で均等にキャンバス地を引っ張っておかないと、皺がよって画面が平坦にならず描くときに妙な引っ掛かりができたりする。だがあまり力を入れて張りすぎると、木枠が撓んで曲がってしまう時がある。とは言うものの木材にも個体差があり、最初から微妙に歪んでいるものもあったりする。(購入する際になるべく真っ直ぐなものを選んでいるが、どうしても多少の誤差はあるものである。)

ここまでの作業で大抵丸一日を費やす。“描く”とは全く違う手の動かし方をして、一度頭をリセットさせる。

支持体作成が主な目的だが、アイデア探しのきっかけの一つにもなっている。


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