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  • 執筆者の写真ユウキ サクタ

『きっかけの積み重ね』

連休初日、GARNET CROWの20周年記念企画の集大成である大型写真集が届いた。ファンの間でその重量とサイズ感の情報が解禁された段階から「鈍器」とあだ名されていた。公式さんも便乗していた事は忘れない。厚口の段ボール箱で頑丈に梱包されていて、置き配される雑誌や文庫本とあきらかに扱いが異なっていた。

約五百ページからなる写真集。アトリエにあるシャガールや若冲の画集にも引けを取らない厚み。分厚い本ならではの直立不動の姿勢を取らせたくなる。表紙にはメンバー4人が夕方の港を背景に凛として立っているシルエット。もっと深い沼にはまり込んでいるファンの中には、この写真だけで活動時期・当時の音楽の傾向・ロケ地・どの楽曲のジャケットに使われたかのかが一目瞭然とのこと。(かれこれファン歴10年以上経過しているが、そこまでの観察力は培われていない。ただ、あの曲のプロモーションで見たことあるなあ、とぼんやり郷愁に浸るような感覚を抱く。)


彼らの音楽と出会ったのは小学校三年生の頃。夏休み期間に通っていた児童館でのテレビコーナーで、再放送されていたアニメ『名探偵コナン』が流れていた。広い一室は大勢の小学生がいて、レゴブロックや巨大な積み木で遊ぶ子、鬼ごっこで駆け回る地響きにも似た複数の足音、喧嘩の怒号、とにかく騒がしい空間にも関わらずエンディングテーマで流れた音楽はすんなりと心に入り込んでいた。

「この歌手って女の人?声が低くて男っぽいよね。」

「コナンが歌ってるかと思った。」

友達と一緒に見ていてこんな感想を言い合ったのを覚えている。

初めてバンド名を知ったのは中学生の頃。それまで歌といえば’歌手’や’アイドル’だけだったのだが、新たに’バンド’という概念を認識するようになった。歌声とともに楽器を奏でる人も楽曲を紡ぐ重要な役どころであるということ。彼らの新曲が発表され宣伝のCMが流れていた。まだ英語が読めなかったため母に尋ねたのを覚えている。

「ガーネット・クロウだね。宝石カラスって意味。変わったネーミングセンスやね。」


初めて自己紹介で好きな音楽として紹介したのは英語の授業にて。偶然にも当時の英語の先生がGARNET CROWを知っていて盛り上がったことがあり、英語のスピーキングテストの文章で取り入れてみた。まだ習っていない英単語も駆使しながらの発表だったが、普段の授業で事務的に学ぶよりもスッと主観的にインプットされていったのを覚えている。発表後、複数の子が「私も知ってる。」・「メルヘヴンってアニメでも歌ってるよ。」と情報を教えてくれたのが有り難かった。

以降も様々なきっかけを積み重ねて今に至る。この「鈍器」を眺め尽くして、ロケ地巡りをしてみるのも面白いかも。




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