一年間ほど更地状態だった近所の土地に新たな建物が建てられ、今年4月11日から大きな薬局がオープンした。新たな始まりというのはどんな分野も高揚するようで、開店セール期間中は駐車場内で交通整理されるほど大勢のお客さんがやって来ていた。街中で10分ほど歩けば2~3件は当たるようなお店にもかかわらず、観光地並みの人口密度。広々した平屋造りの店内、買い物カートや籠を持った人々が、陳列棚に挟まれたあの狭い通路でお互いぶつからないように気を使いながら、お買い得商品を吟味している。薬局と言っても、冷凍食品から生鮮食品、調味料、パンやお米類、インスタント食品、さらに文房具、工具なども取り扱っていて、小さなスーパーよりも品数が豊富かもしれない。23時まで営業しているので、夜食や帰宅が遅くなってしまった仕事人にとっては有難い道標となっている。
レジを全て起動して対応していても、会計待ちは長蛇の列。足元の印からはみ出ないように、皆さんきっちり並んでいたのが印象的だった。
さてそんな薬局のすぐ近くに関西で定番のスーパーがあるのだが、先週、午前中のうちに夕食の材料を揃えておこうと開店時間すぐにお店に入った。なんとその日はちょうどお店の大創業祭セール初日だったらしく、老若男女問わず凄まじい人数のお客さんが既に店内を闊歩していた。普段アナウンスは録音済みの無機質で起伏の無い宣伝のみなのだが、店員さんの早口な野太い声と背後に紛れ込んでいる喧騒(おそらくお店のどこかで実際に喋っていたのだろう)が流れてきて、人混みの状況をよりリアルに実況していた。一体何がそんなにお買い得なのかよく分からなかった(栄養ドリンク1ダースがかなり安かったのは覚えている)が、野菜コーナーからお魚・お肉コーナーを巡って、乳製品まで満遍なく散策できた。いつもの買い物タイムがとてもゆとりあるものだったのだと再認識できた。
こちらもをレジをフル稼働。だが全てのレジにお店の最奥にあるお肉コーナーまで届くほどの行列ができていて、自分の分がお会計されるまで10分以上も並ぶ事となった。籠に入れた牛肉と納豆の鮮度が保たれているか不安だったが、それを見越してか店内の冷房を強めに設定しているような気がした。無事会計まで終えて急ぎ足でお店を出た時、いつも大量に整理されている買い物籠とカートが品不足になていて、入場規制をかけられ自動ドア前で行列となっている人々がいた。
「テーマパークかいな。」
ただいまは、どちらも普段の穏やかな日常を取り戻している。あの賑やかなお囃子は場違いで、でも確かに発生していた現象で……。
お祭り騒ぎなイベントは、案外身近でも企画されているようです。
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