祇園祭や天神祭の季節がやってきました。あいにくと許容量を超えた人混みが苦手なため、祭りへは滅多にお出かけしない。
ただ先日、自宅近くの小学校にて地域の小さなお祭りが開催されていて、久々にお祭り気分を味わってみたい欲に任せて足を運んでみた。グラウンド中央に遊具と同じくらいの小規模な高さのやぐらが立ち、紅白の提灯がささやかに飾られている。夏の日は日照時間が長く、まだ西の空が薄明るい。屋台は既に開店していたようで、綿菓子、たこせんべい、金魚掬い、射的といった定番のお店が並んでいた。大きなお祭りと比べると屋台の数は少なかったが、どれにもずらりと行列ができていた。手前からやぐらをぐるりと囲んで奥の本部テントの所まで、最後尾は絡まった紐みたいにさらに混沌としている。
此処でもやはり人混みは形成されるのか……。昼間の猛暑の名残りが漂う中、食べ歩きするのは諦めて懐かしいグラウンドの砂の感触を靴底から感じつつ祭り空間を歩いた。
浴衣や甚兵衛を着た子ども達が全速力で走り回っている。せっかく着付けた衣装が崩れていてもお構い無しの様子。少しお洒落に目覚めた浴衣の女の子達はそれを横目にたこせんべいを頬張っていた。一つ100円のお手頃価格。大きなたこせんべい生地に天かす・ソース・マヨネーズ・青海苔がトッピングされ、食べ方に苦労しそう。福引き屋台の景品は、光るもの、剣になるもの、ぷよぷよしているもの、耳のついたカチューシャなど、その時だけ物凄く豪華に見えるおもちゃが無造作に広がっている。(お祭りマジックと言えるかもしれない。)
食べ物の屋台も遊びの屋台も、子どもが喜びそうな視点で選ばれている気がする。この地域にこんなに賑やかな声が潜んでいたのか!とまたびっくりした。小学校が会場なだけあって、飲酒と喫煙は御法度だった。大人も沢山いたが、お祭り運営の人か家族連れで子守りとして来ている人ばかりの印象。デート中のカップルなどは見当たらなかった。
またこんな空間でも学習コーナーを作りたかったのか、地震体験ができるトラックが、お祭りの目玉であるかのような最前線の位置に停車していた。もちろん此処も行列。黄色い賑やかさが耳に届くたび、ちゃんと勉強になっているのか謎だったけど。
お土産で、袋詰めのミニクレープ(バニラヨーグルト風味、いかにも学校給食で提供されそうな一品)だけ買えた。空の明度が落ちて本格的な夏祭りムードになる前に、いつもの帰路についた。
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